石牟礼道子もだえ神の精神 -- 集英社新書 --
田中優子 /著   -- 集英社 -- 2020.10 -- 18cm -- 266p

資料詳細

タイトル 苦海・浄土・日本
副書名 石牟礼道子もだえ神の精神
シリーズ名 集英社新書
著者名等 田中優子 /著  
出版 集英社 2020.10
大きさ等 18cm 266p
分類 910.268
個人件名 石牟礼 道子
注記 文献あり
著者紹介 1952年神奈川県生まれ。法政大学社会学部教授(近世文学)等を経て法政大学総長。2005年紫綬褒章受章。著書に『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫/芸術選奨文部大臣新人賞受賞)など多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
内容紹介 石牟礼道子の『苦海浄土 わが水俣病』は、日本社会に深い衝撃を与えた。だが、石牟礼文学の本質は告発だけではない。新型コロナウイルスの蔓延が社会状況を悪化させるなか、石牟礼本人との対談、考察を通し世界的文学者の思想に迫る。
要旨 水俣病犠牲者たちの苦悶、心象風景と医療カルテなどの記録を織りなして描いた、石牟礼道子の『苦海浄土 わが水俣病』は類例のない作品として、かつて日本社会に深い衝撃を与えた。だが、『苦海浄土』をはじめとする石牟礼文学の本質は告発だけではない。そこには江戸以前に連なる豊饒な世界と、近代から現代に至る文明の病をも射程に入れた世界が広がる。経済原理優先で犠牲を無視し、人間と郷土を踏みにじる公害、災害。それは国策に伴い繰り返される悲劇である。新型コロナウイルスの蔓延が社会状況を悪化させる中、石牟礼本人との対談、考察を通し世界的文学者の思想に迫る、評伝的文明批評。今は亡き文学者に著者は問い、考える。「石牟礼道子ならどう書いたであろう」と。
目次 序章 石牟礼道子の重層する「二つの世界」(二つの世界;石牟礼道子と「家」;区切りない世界;近代社会と数値;江戸以前の循環型時間概念;鄙と近代の渚で);第1章 母系の森の中へ(四十数年の想いを託して;石牟礼道子との対談―「近代とは何か、ずーっと考えてきました」;おなごのくせに;おもかさまの哀しみに寄り添う;自殺未遂;高群逸枝との邂逅;母系の森の中へ―古代、女性はリーダーであった;近代的自我とは異なる生命律に身を任せて;「古代の魂」ゆえに);第2章 闘う共同体(道子が夢想した「新しい共同体」;島原・天草一揆と水俣闘争はつながっている;私たちの春の城はどこにあるのか?;道子は天草四郎の「やつし」;「自分が虫どもに似て来たと思うがのう」;「大切」を知る人々;「もう一つのこの世」の始まり;近代における共同体の喪失;「夢に見るとは、天候のことばかり」);第3章 もだえ神(悶えてなりとも加勢せんば;「漂浪く」道子の魂;遊行の民として;非人の方法;ひゅんひゅんと移動する神々;日本人に見る「共視」;「境界」を行き来する魂);第4章 祈るべき天と思えど天の病む(死者と生者をつなぐ文学の役割;水俣の死者たちが再び戻る『不知火』;怨から祈りへ;「死ぬことは死ぬばってん、私どもは死なんもんなあ」;石牟礼道子と話した福島のこと;生まれ変わる力があれば;いのちの声の代弁者として)
ISBN(13)、ISBN 978-4-08-721140-5   4-08-721140-1
書誌番号 1113822079
URL https://opac.lib.city.yokohama.lg.jp/winj/opac/switch-detail.do?bibid=1113822079

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