近代文学研究叢刊 --
中川智寛 /著   -- 和泉書院 -- 2024.2 -- 22cm -- 362p

資料詳細

タイトル 横光利一複層の近代
シリーズ名 近代文学研究叢刊
著者名等 中川智寛 /著  
出版 和泉書院 2024.2
大きさ等 22cm 362p
分類 910.268
個人件名 横光利一
注記 索引あり
著者紹介 1978年、三重県生まれ。2006年、名古屋大学大学院文学研究科人文学専攻日本文化学講座博士後期課程満期退学。2009年、課程博士取得(名古屋大学)。福井大学専任講師などを経て、2022年、東海学園大学人文学部准教授(現在に至る)。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
内容 内容:序. 国語教育との関連、あるいは馬車の不思議. テクスト化される階層. 彷徨する感覚と言語面での新感覚. 高低差の悲喜劇. 反近代の物語. 難解な理論の内実. 霧の中の純粋小説. 〈神〉へ傾斜する読者参与意識. 晦渋な純粋小説と奇妙な自注小説. 聴覚表象の試行、あるいは〈神〉への交通手段. 感覚の混迷とハンセン病の形象化. 「四人称」の設定とその成否. 読者を試験し、作者も試験されるという機構. 純粋小説と「旅愁」との架橋. 沈黙の語る小説. 〈自意識〉と救済. 解放の純粋小説. 純粋小説群からの脱却、「芸心」意識の象徴性. 渡欧時の心理と小説への形象化. 感覚表象と逆説的論理. 偽史の誘惑. キリスト教・建築物. 〈不通線〉への通路
内容紹介 横光利一の小説分析を主体としつつ、特に「純粋小説論」と同時期に発表された未検討長篇を多く考究対象とし、問題作「旅愁」へと接続されて行く過程を検証。横光利一の通時的作品研究を行い、全体像に肉迫する。
要旨 未検討長篇を考究対象とし、「旅愁」へと接続されて行く過程を検証。横光利一が「旅愁」へと誘引されて行く動機として、初期以来、近代・機械文明に対する、厳しい批判眼を持っていて、それが小説作品に形象化されていた事を明らかにした。これらは、「旅愁」の一部に見られる国粋主義的記述とは、一見矛盾するものとも見えるが、横光の場合は、この近代文明への批判意識が、「純粋小説論」の時期を経て、難解と忌避される表象に入って行ったと考えられる。また、未完の長篇小説「旅愁」に関して、作中の歴史に関する記述などに重きを置いて、論述した。
目次 第1部 新感覚派期の継承と、近代科学への反駁の萌芽(国語教育との関連、あるいは馬車の不思議―「蝿」論;テクスト化される階層―「朦朧とした風」・「七階の運動」論;彷徨する感覚と言語面での新感覚―「上海」論;高低差の悲喜劇―「高架線」・「鳥」論;反近代の物語―「機械」論);第2部 「純粋小説論」の成否(難解な理論の内実―「純粋小説集」論;霧の中の純粋小説―「寝園」論;“神”へ傾斜する読者参与意識―「時間」論 ほか);第3部 渡欧体験と「旅愁」への逸脱(渡欧時の心理と小説への形象化―「欧洲紀行」・「厨房日記」論;感覚表象と逆説的論理―「終点の上で」・「恢復期」・「罌粟の中」・「微笑」論;偽史の誘惑―「旅愁」論(一);キリスト教・建築物―「旅愁」論(二);“不通線”への通路―「夜の靴」論)
ISBN(13)、ISBN 978-4-7576-1092-7   4-7576-1092-0
書誌番号 1123017695
URL https://opac.lib.city.yokohama.lg.jp/winj/opac/switch-detail.do?bibid=1123017695

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